育たない部下は諦めてもよいのか?【元リクルート役員が解説】
- yoshihisa togashi
- 2月8日
- 読了時間: 9分

マネジメント総数10,000人以上!元リクルート役員で弊社、株式会社エクスペリエンサー取締役 冨塚 優(通称:トミー)が主催する、人材育成、組織開発のナレッジが詰まったYOUTUBEチャンネル「ポケカルビジネスTV」の内容をダイジェスト版としてご紹介していきます。
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【この記事(育たない部下は諦めてもよいのか?)で書かれていること】
【もう限界】育たない部下、諦めてもいいですか?

(ヒガキ)今日はですね、質問者の方から質問をいただいております。部下育成に関する質問です。何度も同じことを聞いてくる部下がいます。育成諦めて良いのでしょうか?何度話してもメモを取ってもらっても同じことを聞いてくる部下。 成長を感じない姿にもういい加減疲れました。自分自身の残業が増えてる中、このままでいるのもきついです。この部下はもうこういう人だと諦めて、育成に注ぐ時間を減らしたいと思ってるのですが、マネージャーとして育たない部下は諦めてもよいのか? という質問です。
でも、気持ちはちょっと分かりますね。一生懸命やって時間も割いてるけど、上手くいかない自分もきつい中、どうしようかなって、諦めちゃおうかなっていう風に思ってる。
諦めた瞬間に終わる
(トミー)諦めちゃおうかなと思った瞬間にもう終わってるってことですよ。

(トミー)それ以上でもそれ以下でもない。引き出しの幅みたいなもんで、これでダメならこれ、これでダメならこれ、これでダメならこれっていう数を何種類用意できてますか?っていう、そういう話なんじゃない。で、諦める人って多分2、3種類。もしくは、例えば何か起案をする、提案をするっていう風に言った時に、何回やってもダメなんで、もう諦めますっていう人いるんだけど、何回やったの?って聞いたら、せいぜい2、3回っすよ。で、僕は昔から諦めが悪いので、有名なので、なかなか諦めないんですよ。すっぽんとかね、よく言われてました。
(ヒガキ)カメのですね!
(トミー)食らいついたら離さないっていうですね。水上スキーやった時もそうで、みんな諦めて離すんですよ、ロープを。だから、 沈没する。俺は最初やった時に何がなんでも絶対離さない。離さないで、もうもうもうボロボロになっても腕力でぐわっと持ち上がってくる。簡単に諦めないんですよ。
それがさらに顕著になったのが、40歳の時に福島正伸さんっていう方と20年ぶりぐらいに再会をしてですね、ある研修の場で会ったんですけども。福島さんのエピソードプレゼンをした時に、そんなんじゃダメだよっていう風に言われて、次また行く、次また行く、次また行くっていうのを36回最大繰り返したって話がありましてですね。もう7、8回目を超えてくると、だんだん相手も同情してくる。
ヒントをくれるようになる。だから色んな人から、じゃあどうすればいいんでしょうか?っていうのを聞きまくって、その通りにやるってことを色々と繰り返していくと幅が広がっていくっていうね。ふと気がつくと元の案を持ってってんのに「良くなったね」って言われましたみたいな笑い話がありましたけど。断られるっていうことは、いろんな理由があって断られてるわけなんですよ。断られた側が勝手に思い込んでるっていうケースが多いんで。
メンバーの育成っていうのも僕はある意味近いようなもんがあると思っていて、こちら側が諦めた瞬間に終わるんだと思いますよ。メンバー側からすると、そこまで思ってない。

(トミー)「これこの間も言ったじゃん。」「あれ、言いましたっけ?」ぐらいなんですよ。 で、教えてる側はものすごく色々考えて教えてるつもりなんだけど、言われてる側は、そこまで自分自身が問題だとか、困ってるとか、それができないとまずいなんていう認識がないから、なんか言われた時に「そうですか。わかりました」って言ってんだけど、身に染みてないから、また次起こった時にまた「そうですか」っていう風になるっていう。
自分側に伝わらない原因はないかを考える
だから、記憶に残すとか、これはこういう風にやんなきゃダメなんだっていう風に、その言い方では伝わってませんっていうことなんですよ。違う言い方で伝えないといけない。原因が自分にあるっていう風に思うのか、原因は相手にあるっていう風に思うのかによって全然違うと思いますよ。

(トミー)じゃあ私がね、相手に対しても「使えねえな…」っていう風に思ったことゼロですか?っていう風に言われたら、それゼロって言ったら嘘だと思いますよ。何で解ってくんないの?なんてことは、それは昔はしょっちゅうあったと思いますよ。 僕ね、昔通って言葉をよく使ってて、 普通っていうのは自分が基準になって、自分の基準で言えば「これは普通できることでしょ」とか「普通分かるよね」なんだけど、それはあくまでも私の基準なわけですよ。相手の基準ではない。

(トミー)あなたの普通は私の普通じゃありませんっていう風に言われたことがあってですね、トイレの個室の方に入ってたらですね、ドヤドヤマネージャー陣が入ってきて、その会議の後「さっきトミーがさ、普通わかるよね」とか言ってたけど、「普通なんかわかるわけねえじゃん」「そうだよそうだよ、自分の基準だからね、あの人は」みたいに言われてですね、結構ショックで、そうかと。みんなそういう風に思ってたのねと。
普通っていうのは、僕、よく言うなと思ったわけですよ。それはあくまでも自分の基準で、自分ができるからみんなもそれぐらいできるだろうっていうのは違うっていうのは頭ではわかってんだけど、これはまずいという風に思って、故意に変えようと思ったんです。基準を自分に置かないっていうですね。相手の基準でやっぱり考えて話をする。

(トミー)今でもありますよ。「普通分かんだろヒガキ」みたいな「何回やってんだよ俺たちの会話」みたいな。
(ヒガキ)はい、そうですね。
(トミー)って思うことはあるけど。で、そこで諦めない。

(トミー)ヒガキの場合はいじりに行くけどね。「これ何回目だっけー?」みたいにね。
(ヒガキ)そうですね、よく言われますね。
(トミー)これは関係性の中での話だから、 諦めたくなる気持ちももちろんね、皆さんがそういう気持ちが出てくるっていうのも理解はできますよ。理解はできるけど、諦めた瞬間に終わるってことです。 ていうことと、あなたは放棄をしたってことです。
手を変え、品を変え伝える。そのための引き出しを増やしておく。

(トミー)しつこい人いますからね、教えてくる方も。何回も何回も基礎反復練習みたいなことをやらされると、だんだんできるようになっていく。 スポーツなんかそうですもんね。ビジネスもそれに近いところはある部分はあると思いますよ。 だから、諦めるんじゃなくて、手を変え品を変えってのを何回やりましたか。と。もしくは同じことを何十回言いましたか?
もう「その話は耳にタコができるほど聞いてますよ。なんとかって言いたいんでしょ?」って、素で真似をされるぐらいまで言ったら 大したもんですよ。で、そこまで言っても相手に伝わらないっていうんだったら、それは相手の能力に問題があるかもしれないけど、 だったらその能力に合わせた対応の仕方に変えなさいってことです。

(トミー)すごく教科書的なこと言ってんですけど。でも、それ以外に方法はないんですよ。リクルートの同期で、 しょっちゅう今も会ってる池内さんっていう人がいるんですけど、池内さんの口癖は「使えねえな」なんですよ。使えねえなって彼は言って、じゃあどうするかって言ったら、取り替える、人をチェンジするっていう風にできるかって言ったら、できないわけですよ。
だって、一般的には優秀な人が彼の下にいるんだから。彼の求めてるレベルが高すぎるんです。彼はそれを認識してるんです。認識しながら、使えねえなっていうのは口癖のように言うんですよ。で、諦めてるかって言ったら、別に諦めずにちゃんと対応してんですよ。でも、 常に高いところを要求するっていうことを変えないんですよ。
そういうこと言うこと自体はどうかって問題ありますよ。でもそれは彼のキャラクター化されている部分もあるんで、 みんなは「ああ、また始まったよ池内さん」みたいな感じにね、コンセンサスが取られてる話なんですけれども、諦めないですよ。口でそう言いながらも。で、それも相手にもちゃんと伝わってる。

(トミー)最初言われたらショックかもしれないですけど、でも今リクルートではない職場にいらっしゃるんで、「ああいう言い方はしない」って言ってらっしゃる。 それはリクルートのあの組織だからそういう風に言ってもいいかもしれないけど、今言ったらもうパワハラで訴えられるからねみたいな感じ。でも、やっぱ諦め悪いですよね、彼もね。
なんで皆さんのその気持ちは悪いけど、もう手を替え品を替え。
じゃあ究極のこと言いましょうか。君もわかると思うんだけど、私も子供ができてわかったことがありましてですね、いくら言ってもまた同じことするとか何回も言ってんだろ?これ。またやる。子供ってそうでしょ?
(ヒガキ)はい。
(トミー)それに対して使えねえなこいつと言って、取り替えることできますか?
(ヒガキ)できないですね。
(トミー)自分の子供と隣の家の子供とチェンジとか言って、できないでしょって思ったらどうしますか?諦めますか?っていうか、諦めないでしょ、っていうね。やっぱ可愛いじゃないですか。だからそういう気持ちを持って接するってことなんじゃないですか。
(ヒガキ)面白いなっていう風に思ったのがですね、引き出し2、3個しかないよねって言われた時に、 2、3個しかない上に、さらにその引き出しで勝ちパターンを獲得してる確率が高いので、この1つに対する期待が多分自分の中でおっきかったのかなと。なので、これで伝わらないんだったら相手が悪い。
自分の2、3個しかない引き出しを4つ5つにするっていう努力ではなくて、こっちに対して向いてしまってるので、徒労に終わってるなっていう風に感じてしまってるのかと。逆に言えばチャンスってことですよね。4つ目、5つ目の引き出し、自分で作りに行くチャンス、機会だっていう風に捉えるっていうのはとても大事なのかなと。

(トミー)僕はちょっと変わった人なんでしょうね。昔から、運動やってる時からそうですけど、 これで打たれたら、じゃあ次これ、これでもダメだったらこれ、じゃあ次これ次これって変化球8種類ぐらい投げてましたからね。みたいな。 そういう性格なんだろうとは思いますけれども、やっぱり2、3じゃ全然足りないです。
(ヒガキ)そうですね。そこですね。その認識でいれば、こう、たとえ打たれてもこう、へこむことがないというか、メンタル的にもいいのかなという風に思いましたので、ぜひ皆さん、部下大変だなっていう風に思った時でも、自分の引き出しを増やすチャンスだと思って、色々と考えていただければと思います。
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