特定の部下にえこ贔屓だと言われないための上司のコミュニケーション【元リクルート役員が伝授!】
- yoshihisa togashi
- 2024年10月5日
- 読了時間: 12分

マネジメント総数10,000人以上!元リクルート役員で弊社、株式会社エクスペリエンサー取締役 冨塚 優(通称:トミー)が主催する、人材育成、組織開発のナレッジが詰まったYOUTUBEチャンネル「ポケカルビジネスTV」の内容をダイジェスト版としてご紹介していきます。
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【この記事(特定の部下にえこ贔屓だと言われないための上司のコミュニケーション)で書かれていること】
複数メンバーとのコミュニケーション、どうバランスをとったらいい?

(ヒガキ)よろしくお願いします。今日はですね、今回、関係性の質をチームのメンバーと作る上でちょっとお聞きしたいことがありまして。いい関係を作るっていう上で、何人かメンバーがいる。で、その中で、こう平等にコミュニケーションを取るべきなのかとか、どういうバランスでコミュニケーション取ったらいいのかっていうのが結構難しくてですね、どういう風に取るべきかみたいなところをちょっと今日お伺いしたいです。
(ハラダ)具体的にどういうことがあったの?

(ヒガキ)例えばですけど、ちょっと元気がない子がいました。その子に何回かちょっと一緒に話そうよみたいな場をこう設けていたら、はい、他のメンバーからなんかあの子だけちょっとコミュニケーション多くないですか?みたいなこと言われたりとかする中で、そのフェーズによってウェイトを変えたいっていう時があった時とかに、えこ贔屓じゃないですけど、っていう風に見られたりとか、この子は今調子いいからちょっとしたコミュニケーションで大丈夫だなみたいな時に、特定の部下にえこ贔屓だと言われないための上司のコミュニケーションとして、その量とバランスをどういう風に取ったらいいか?
(ハラダ)ちなみにそれを言う人っていうのは、その人との関係性はどうなの?

(ヒガキ)その人との関係性は良くない。
(ハラダ)良くない!それが問題なんじゃないのかな。全員とコミュニケーション取っていて、それぞれのメンバーのコンディションがあって、例えばこの子があんまり良くないからみんなでこうしてこうねみたいな話ができてたら、今みたいな出ない気がする。
(ヒガキ)あ~~~~~~そうですね。そこはできてない。
(ハラダ)なるほど。
(ヒガキ)どちらかというと、横でこう繋がってるというよりは、僕とやり取りしながら作ってくっていう段階の話で。
(ハラダ)なんかチームとかを自分が持った時って、大体チームの中にリーダー的な役割をやってもらいたい人と、新人的な子もいれば真ん中の子もいるから、 ここである意味レイヤーができるので、ちゃんとそれぞれにこう話をしてた記憶があるので。

(ハラダ) 例えばリーダーの子は、その下の子たちのコンディションとかもわかってほしいから、そこら辺見てねって言いながら、この子とちゃんと話をして、かつ状況を自分の中にそれで聞いて入れながら、その真ん中の子と話したりとか、下の子と話しとかしていくと、今みたいに、例えばAさんとしか話さないじゃない!っていう風にあまりならないかなという認識が。自分の場合は、自分が喋りすぎるかもしれないけど、この人とは。
(ヒガキ)いや、実際そのリーダーみたいなポジションの人とはコンディション見てねって話をしたりとか、ちょっとこういう風な感じなのでこういうこと言ってほしいとか、そういうコミュニケーションは取ってたりはするんですけれども、それでうまくいってると思ってた時に、ぽっとなんかちょっとウェイト違くないですか?みたいなことは言われたりした経験があって。満遍なく取るべきなのかとか、見え方と、自分がどこに注力して取るかみたいなののバランスにちょっと乖離が生まれちゃうっていう気はしてるんですけど。
(ハラダ)そうなんだ。僕はそこまでは気にしてたことがないけれど、その代わりその人が何をしてあげるべきなのかとか、 何を気にしてるのかっていうとこだけはこう気にしながら話してるから。会話をする量とかもその都度都度違うし、全員と同じ量話さなきゃいけないわけじゃないし、その深さがここまで言えばいいケースもあれば、入っていかなきゃいけないケースもあるし、自分が入んないでいい方があるじゃない。 逆にリーダーの子に任せた方がいい時もあればみたいな形でやってましたね。ただ、あまり声を発しない人はちゃんと聞きに行ったりっていうのはあった。

(ハラダ)例えば制作チームとか持ってる時には進行やってる人とかがいるのね。進行っていうのは原稿の入稿、要は編集部だったんで、入稿管理してる人がこういう人の声とかをちゃんと聞いてるわけです。この人が要なので、みたいなのも聞かれづらいっていうと、後工程の仕事になるんで、みたいなのはちゃんと聞きに行こうねとか、ちゃんとその人たちの後には印刷会社があるので、ちゃんと守ろうねとかっていうことをみんなに決定したりとかはしてたけどっていう形で、僕だったらそういう風にしてる。
(トミー)最初のそのヒガキが言ってるね、同じ分量を全員に向けて喋るってことは無理で。
そもそも全員平等となるコミュニケーション量の担保は無理である

(トミー)ある1人の人に対してフォローしてると、なんかそいつだけ贔屓してんじゃないの?と言われたりするんですけどっていう話ですけど、自分が担当してる組織の人数がどれぐらいいるのか?っていうこと、これにもよるんだけど、基本僕が事業会社の社長やってる時なんて1000人とかさ、そんな話になってくるから、例えばいちメンバーに対してこう喋ったりすると、それ自体が何?みたいな感じになるし、全員に平等ってのは無理ですよ、そんなの。最初からそれを全員に同じだけなんて考えてること自体が組織の業績を高めるためにはそんなことやってたら高まりはしないと思いますよ。
コミュニケーションの無い人は絶対に作ってはいけない
で、実際にはやっぱりでこぼこあるんですよ。コミュニケーションの自分が取る総量が決まってれば、 太い人もいれば細い人もいるんですよ。やっちゃいけないのは、線がない(=コミュニケーション取ってない人)っていうのを作っちゃいけない。線はもちろんちゃんとあるんだけど、細い、太いってのはしょうがない。

(トミー)で、2つ理由があって、①1つは業務上の接点が強い人。 例えば事業企画でね、数字を毎週出してもらって、会議の場に事前にこういうアジェンダで今日行きますみたいなことをやり取り普段からしてる人ってのは、それは毎週1番時間長いよっていう話になるし。だからその下のスタッフもよく僕とコミュニケーション取る量って、それは増えて当たり前だよね。
でも、営業で入ってきた今年の新入社員ですっていう人と、それ1回は接点をね、会社として取ってくれるかもしれないけど、その後喋る機会なんてほとんどないわけです。 で、そんなことも向こうも要望はしてないだろうし。これが課長・マネージャーってなると、配下に5、6人っていう風になった時に、いつもこのAさんばかりと喋ってて、Fさんはほとんどもう週に1回もね、喋るか喋れないかわかんない!みたいな話とは全くこれ、全然違うっていう話なんです。
ただ、えこ贔屓って思われることをやむをなしと思ってやってんのか、そう思われたくないのにそう思われてしまってんのかっていうことも、これも違うんですよ。じゃあ、えこ贔屓ってなんですかっていう。えこ贔屓ってなんですか?

(ハラダ)その人だけを優先する?
(トミー)ちょっと辞書を調べてここに出しておいてほしいんですけど。
私利私欲がなければえこ贔屓はあって良い

(トミー)いや、僕が思ってるのは、よくね、そのお客さんに対しても贔屓をするお客さんと贔屓をしないお客さんみたいことを言われるんだけどさ、それはなんていうの、最低限全員平等の話と、お得意さんと一般のお客さん。多分お店行ったって常連さんにはいいとこ出るけど、一見さんにはいいとこ出ないよね。それは一律同じサービスはもうセントラルキッチンで作ったナショナルチェーンみたいな話になってくるわけです。
で、そういうもんはじゃああってはいけないんですか?っていう問題と、それはあっても然るべきだよねって思ってる、そこは前提が違うわけじゃん。で、悪いえこ贔屓っていうのは何かっていうと、私利私欲が絡んでる時っていうね。「越後屋お主も悪よのう…」っていう世界ですよ。

(トミー)好きだから!とかさ、独身のね、マネージャーであの子可愛いとか言って、好きだからさってついつい力が入るなんて、最近はそんな話じゃないかもしれないけど。昔はね、昭和の時代はあったかもしれない。
(ハラダ)そうですね…
(トミー)こういうのはさ、もう透けて見えるわけよ、これはもう周りが見てて、あーなんだよみたいなさ、これはもうアウトって言われる。えこ贔屓なわけですよね。そうじゃなくて、自分の中で私利私欲ではないと自分に誓って言えますか?っていう、 神に誓ってとは言わないけどっていう、そういうような部分だと思いますよ、結局は。

(トミー)で、そこがなんかの欲があったりとかね、そういう部分があるように見えるかどうかっていうことです。
で、僕なんかよくそういう風に見られてしまうタイプだったんで、すごい気を付けたつもりだけど、気を付けてもそう見られるんだよね。で、その見てる人から注意されることもあるし、だから、それはもうやっぱり見る人によるんだよ。それを気にし出すと、もう止まらないですよ。
他のメンバーからの見え方は配慮しなくてはいけない
そこはある意味、もうそれはしょうがないねって、わかってくれる人にわかってもらえればいいやというぐらいの気持ちでやるか、その辺りっていうのは、強い信念を持ってやるしかないんだと思うんですよ。
ただし、見え方はやっぱり気をつけなきゃダメで、それは事実なんですよ。みんなに平等だって思われるような方がいいに決まってる。そこは上手い人と下手な人がいる。

(ハラダ)上手い人ってどんな感じですか?
(トミー)ある人に対してこう言ったら、その横の人たちに対してもちょいちょいこう会話をしながらとか、この人はすごくそういうのにヤキモチ妬きそうな人だなっていう人を特定化する能力に長けてたりとかね。Aさんに言ったら、このヤキモチ妬きのBさんにもちゃんと一言声をかけてから立ち去るみたいな、そういうのに長けてる人っていうのは世の中いっぱいいますよ。
(ハラダ)なるほど。線を必ず細くてもいいから置いとかなきゃいけない!
(トミー)そうそう、そりゃそうですよ。
(ハラダ)業務によってはしょうがないケースもあるから、分かった上で、いかに行動をどう見せていくかっていうのは、ちょっと言い方が違うけど、気を付けながらやるかっていうことだね。まあしょうがないケースもあるからね。
(ヒガキ)線が細い理由とか太い理由とかが相手にもちゃんと伝われば納得感も出たりすると思うんですけど、そこら辺が甘いと私だけ…とかっていうのが出ちゃう。
(トミー)まず。だから、そういうような感じ(えこ贔屓)で見られる可能性があるっていう認識をまずしとくってことでしょ。

(トミー)で、そういうようなリスクもあるんだけど、いや、リスクばっかり考えててもしょうがねえから、実を取りに行くっていうね、こともせざるを得ないわけですよ。ただ、それは、そういうマイナスもありながらのコミュニケーションなんだってことを理解をしとくっていうことだと思います。

(トミー)問題なのは、そんなこと一切訳分からずに、なんか感情的な部分でそちらだけをこう優先してしまうっていうのは、やっぱり気配りが足りないっていう風に言われるっていう、そういうことですよ。

(ヒガキ)足りないものが今日たくさん…
(ハラダ)あ、自分の?あっそうなんだ。例えば例えば?
(ヒガキ)相手がどう見えるかっていうのはやっぱ元々足りないので、そこらへんが1番欠損してるなって感じましたね。 私利私欲っていうのは考えてないですけど、これだったらちょっと贔屓してるように見えるかな…とか、気にするだろうな…みたいなところの考えがやっぱ甘い。それは多分メンバーと話をしていて、そういう琴線のポイントっていうものの把握が甘いっていうところがあるのかなっていう風に思ったので、私利私欲ではない分、しゃあないっていう風に割り切りながら、きちんとメンバーの思考とか、そういう傾向を見て…
組織全体の様々な人の声を聴くことは大事
(トミー)もう1つあるのは、やっぱりその組織の中で、さっき言った、その仕事柄このポジションの人とばっかり喋らなきゃいけないってことがない、例えば営業マネージャーと営業マンみたいなね、そういう組織でいくと、声を上げにくい人の声をちゃんと拾いに行くっていう声が、さっきハラダが言ったように大事で。

(トミー)それは弱者の声を拾うっていうんだけど、これは上司の部長に言われたことがあって。マネージャーの時にね、「営業マンばっかりと話してないか?原稿を運んでくれるトラフィックのアルバイトの女性から、営業マンに対しての不満とか、原稿進行で待ってる、いつまでたっても回収してこないような営業マンの仕事を待ってる仕事をやってるような人の営業に対する不満みたいのを聞いてるのか?」と。
「いや、聞いてませんでした…」「そういう声聞いてみろ。そうすると営業マンの見方も変わるぞ」と。単に売れてりゃいいってもんじゃないんだっていうね。そういう人の声をちゃんと聞いて、組織運用にするときに、数字を上げてることは褒めるけども、ちゃんと後工程をやってないのを叱るとか、そういうメリハリついたやり取りをしているマネージャーだなっていう風に見られれば、あなたの言うことはじゃあ聞いてあげようみたいにね、なるけど、売れてる営業マンばっかり可愛がって、そういう後工程を大事にしないやつを叱れないマネージャーっていうのは、そういう組織の人から見たら、あのマネージャー最低!って言われんだよみたいなね。
(ハラダ)今の心理だね!
(ヒガキ)それもそうですね。
(ハラダ)平等に時間取りゃいいわけでもないしね。
(ヒガキ)ちゃんと思いを吸い上げて一方通行じゃなくて、多角的に見るってことですね!

(一同)はい、どうもありがとうございました。
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