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優秀な人材が育つ目標設定のコツ【元リクルート役員が実体験から解説!】


マネジメント総数10,000人以上!元リクルート役員で弊社、株式会社エクスペリエンサー取締役 冨塚 優(通称:トミー)が主催する、人材育成、組織開発のナレッジが詰まったYOUTUBEチャンネル「ポケカルビジネスTV」の内容をダイジェスト版としてご紹介していきます。


弊社の組織人事に関わる課題解決サービスについては、こちらより

 

【この記事(優秀な人材が育つ目標設定のコツ)で書かれていること】


部下に目標達成しよう!と思ってもらえない

(ヒガキ)よろしくお願いします。すいません、本日は僕の悩みでして、メンバーに”僕の中では目指せる目標”っていうのを与えてるつもりなんですけど、メンバーからすると「ちょっと遠すぎるな」っていう目標値の設定なってしまってるんですけど・・・優秀な人材が育つ目標設定のコツを教えてもらいたく。


(トミー)なるほどなー、今、与えるって言ったよね?


 (ヒガキ)はい。


(トミー)目標って与えるものなんですか?


 (ヒガキ)アッ・・・


(トミー) 与えられた目標ってどう思います?っていう。自分だったら。


(ヒガキ)いけそうだったら頑張ろうかなっていう風に思いますかね。


(トミー)いけそうだったら頑張ろうかなってことは、いけそうになかったら頑張れないわけ?


(ヒガキ)って感じてしまうかな・・・


(トミー)はい、それで?


 (ヒガキ)どうすれば、よし!いこう!頑張ろうって思えるか。


(トミー)それはいけそうな目標を与えてあげればいいでしょ。今、自分で言ってたじゃないすか!はい、ということで今日はどうもありがとうございました!


(ヒガキ)いやいやいや・・・いけそうだと僕が思っていても、本人たちに感じてもらえないケース。


目標は与えるものか?自分で決めるものか?

(トミー)目標っていうのは与えるものなんですか?自分で決めるもんなんですか?どっちですか?


(ヒガキ)自分で決めるものですね・・・


(トミー)でも、与えてるんでしょ?


(ヒガキ)はい。


(トミー)与えてたら自分で決めてないから頑張らないよね。まあそういうことじゃないですか?目標がどれぐらいだったら適切なのかということに関して言えば、適切な目標っていうものが明確にあるわけじゃないですよ。

(トミー)なので、よくね営業の数字に例えて言うのが楽なので、営業の数字に例えて言うわけですけど。ある年にね、「あなたの目標は1億円です。この1年間1億円を目指して頑張ってください」っていう風に言われました。で、頑張って仕事をこうやってきましたと、残り1ヶ月になりましたと。今、9500万円まできてますと、あと500万ですね。

ヒガキくんだったらどうしますか?一生懸命目標を背負っているヒガキ君だったら。


(ヒガキ)死ぬ気でで500万取る。


(トミー)へ~そうですか。まず取るって言ってる時点で良くない営業マンですけどね。11ヶ月で9500万やってるわけですよ。あと1ヶ月500万は楽勝です。で、ぴったり100%目指して終わるか、さらに1000万乗っけて1500万やって、110%で終わるのか。どっちですか?


 (ヒガキ)110%目指したい。


(トミー)なぜですか?


(ヒガキ)想定外のことがあってうまく達成できないかもしれないっていうのと・・・


(トミー)じゃあ100%達成したらどうしますか?


(ヒガキ)まあそれでも110は目指していきます。


(トミー)120は目指さないんですか?130は目指さないですか?200%は目指さないんですか?


(ヒガキ)いけそうなら目指します。


(トミー)「いけそう」また出ましたよこの「いけそう」という言葉。結局、人に決められた目標っていうのは、自分の納得感がないんですよ。自分がここまでやろうという風に決めて頑張れるかどうかっていうのがまず一番大事なんじゃないですか。


目標は自分で決めているかどうかが大事

(トミー)ということで、まずは自分で決めてるかどうかっていうのは僕は非常に大きいんじゃないかっていう風に思ってるんですよ。で、自分が決めた目標ではないので人に決められた目標だから、「まあそこそこでいいや」っていう風に思う人もいるだろうし、人のタイプによるのかね?


人に決められた目標でも一生懸命頑張るという人もいるんだろうけど、最後ギリギリいくかいかないかっていうような状況になったら、とりあえずその目標は行きたいから頑張るってのはみんなそうなんだけど、目標がオンできる状態になったら、自分はね、どういう風に考えてたかっていうと、それは次のクォーター(四半期)の仕込みっていう風に行動している人もいれば、ギリギリまで頑張ってやるっていう人もいればっていう感じだったんですね。


なので、誰がどう決めて目標が決まったのかってことが、ものすごく僕の中では重要だと思います。


(ヒガキ)メンバーとすり合わせて、目標に納得感を出せる時はいいんですけど、例えば会社のミッションとして、僕にこれぐらいの売り上げを作ってほしい、その中で、メンバー1人1人にこれぐらいの売り上げを作ってほしいっていうような分担みたいなのがある時があると思うんですよ。そういった時に、目標をどう目指してもらえるか?みたいな。


(トミー)いや、てかさ、まず基本目標をやりましょうって言った時には、何らかしらのロジックがあるわけですよね。ロジックがなくて目標を作るっていうのは、これは目標ではなくてアスピレーション(向上心)ですよね。

初めてやることなので、どこまでどれぐらいできるかっていうのは誰もわかんないから、これもアスピレーションとして目指しましょうねっていうことだったらわかるわけですよ。ただ目標っていう形で数字を置く、もしくは数字じゃないものを置くにしてもそれは現実的に到達可能なのかどうなのかっていう、これ大事ですよね、決める時。


なので、割り振るっていう時にでも、元々ヒガキがその数字の目標を受けてきてるわけじゃないすか。それは自分で到達可能だから受けているのか、 不可能だけども、仕方なく受けているのかどっちなのかってことですよ。到達可能かどうかわかんないよ。行くか行かないかわかんないけど、これはやるしかないなっていうのも、納得感があって、目標でしょ。


でも、こんなの行くわけないじゃん。でも持たざるを得ないから、持ってますけど一応、みたいなことっていうのは納得感がない目標を持ってるってことです。本人が納得感がない目標を持っててそれを配下のメンバーに分ける時に納得感持って目標を持ちなさいって言っても、自分が持ってもないんだから、そんなの無理だよね。


なので少なくとも、目標を分担シェアをするっていう時には自分自身がまず納得のある目標を持ってるかってことが大事ですよね。


目標を決めるマネジャーは、まず自分自身が組織の目標に納得感を持つ

(トミー)目標に対して納得感を持ってるんであれば、自分の中で彼・彼女にはこれぐらいやってもらえそうだよねっていうイメージがあるわけでしょ。これは実績に基づいてるのか、何に基づいてんのかっていうのは、その時々あるんだけれども、それはベースにあるわけで、自分はその案を持っていながら、そのメンバー1人1人ね、例えばサトウだったら「どれぐらい目標を持ちますか?」っていうことをまず僕であれば、本人に言わせると。


みんなの目標を言ってもらったもので、自分の預かってるその目標が行くんであれば、それでやりゃいいじゃないですか。でも大体届かないケースが多くて、それをどうやってシェアしますかっていう時は、「なぜじゃああなたはそれを目標として掲げるんですか?」と。「それは届きそうだからです」「簡単に届く目標を持っても、あなた自身の成長に繋がりませんよ」っていうことなんですよ。


長嶋茂雄元監督から直接教わった教え


これもどっかで話したかもしれませんけど、昔僕が野球やってる時に、長嶋元監督がね、グランドに来られたときに、「足をいっぱい広げなさい」と。もういっぱいいっぱい足広げて、これ以上開いたら倒れちゃうよってぐらい開いて、グローブを持ってて、グローブが一番届くところまでに、こうやって左右地面にグローブで線を引くと。長嶋さんがその線の端にボール投げるんすよ。


届くわけない、届くわけない、届くわけないってやってるんだけど、長嶋さんもだんだん気合入ってきて、「ガンバレ!もうちょっとだ!もうちょっとだ!」って言われると「もうちょっとだ!」と思ってグッ!グッ!と力が入ってくると、今までかすりもしなかったのがグローブに当たるようになって、最後は取れるっていう。これが不思議なことに100球も続けてると、できる人が出てくるんですよ。当然できない人もいますよ。でも、できる人も出てくる。なぜか?だんだんそれが順応してくるんです。体というものが。「それを何とか掴みたい!」というような気持ちが入ってくると、自分が限界だと思ってるよりも体が動くようになってくるっていう。


これが長島さん曰く、球際に強い人だ。球際に強いかどうかってのはプロの世界ではすごく重要なんだよ守備で。ツーアウト満塁ツースリーのこれをピンチと捉えるかチャンスと捉えるか、ていう、気持ちの問題でね、ピンチで「あ~駄目かな」って思うと、駄目な率が多くて、「これはチャンスだ。ここでヒットを1本打てば…ヒーローだ!」みたいな感じでいく人は強い確率が高い。球際もそうで「取れないよ」って思って手を出すのと、「絶対取ってやる」と思って手を出すと、取れる確率が違うっていうわけです。


これは気合と根性論では僕はないと思ってて、なぜかというと自分が体感したからです。不思議と取れるようになるわけです。仕事でも僕は同じだと思っていて、簡単に取れるところに設定しても力がつかないわけですよ。それ以上、守備範囲が広がらないわけでしょ。自分で目標を決めて届くか届かないかわかんないけど、ギリギリのところを何とか取るってことを繰り返すと、守備範囲が広くなるわけじゃないですか。


それと同じで、自分の目標というのも自分でストレッチでギリギリここまでだったら何とかいけるかもしれない。これじゃちょっと無理かな、ちょっと無理かなをちょっと上回るような目標を持つと、最後、ひと踏ん張りっていうのが効いて、自分の能力がさらに引き出すことができる。


メンバーの能力を引き出すために目標はギリギリの設定をする

(トミー)これを自分1人でやるのか、上司・同僚と一緒に、そういうような設定をすることによって、最初は無理やり感があるかもしれないけど自分で何とか達成したいという思いの中で、どんどんどんどんそれがねできるようになってくるというような経験が僕自身しているので、このギリギリの設定っていうのは非常に大事なんです。できればそれをやっぱり自分で決めてやることなんですよ。

(トミー)最初は上司から決められてるものを無理やりやるのかもしれないです。「でも、何とかいきたい!」っていう風に思ってもらい続ける上司でした。「君だったらできるよ、頑張れよ。サポートしてあげる」っていう中で、本当ギリギリいくかいかないかみたいなところを体感すると、そこを超えた人っていうのは、また一段、いろんな意味で成長してるわけですよ。できることが広がっていく。


ただそれがあくまでも人に言われてやってると、頑張れる人もいるけど、いやそれは自分が決めたことじゃないもんっていうようなタイプの人もいるってことです。


まずは自分で決める。で、決めたら、「自分で決めたんだよね?」っていう風に言うわけですよ。「この目標を自分で決めた目標じゃないですから」っていう風に言われることは違うわけで、目標というのは、達成を何とかしようとみんな頑張って持ってもらうものだから、逆に言うと、「こんなの絶対無理じゃない」っていう風に思ってしまうと、人間全然動かないわけです。


長嶋さんは取れるか取れないかギリギリんとこに玉投げるから取ろうとするんだけど、そっから20センチも先に投げられたら追う気が起こらない。なので、ギリギリ届くか届かないかっていうところの見極めがすごく大事。


こういう話をしてると若い子で、意欲だけが高いと、全然自分が届かないような目標を「自分は頑張ってやります!」っていう風に言ってくれる人もいるんだけど、「冷静に考えてそこは無理だよ」「いきなり100 m で5秒で走ります」って言ったって、そりゃ5秒は無理だよねっていうね。


現実論がやっぱりあるわけだから、そこは冷静に見極めて、その彼・彼女がもうひと踏ん張りすれば、何とか0. 01秒縮めるとかっていうぐらいを見極めて設定するってことがすごく大事なんですよ。 そこは本人はまだわからないから、上司がそこを見てあげて、それぐらいの数値に目標を設定するっていうようなことが大事なわけです。

(トミー)ということで元に戻りますと、ヒガキくんがメンバーに頑張ってもらうためには、①メンバーの力量というのをまずあなたが把握をし、②本人たちがどれぐらいだったらできると思っているのかということを把握をして、③この二つの把握の上でどうする、どうしたい?って聞いて、言ってきた数字と、この二つの把握がマッチしてりゃいいっすよ。


でも大体は少なく言ってくるケースの方が多いので、「そんなことないでしょ!もうちょっとできるでしょ!」っていう話し合いをする中で、彼・彼女は「じゃあそこまで頑張ろう!」っていう風に思ってもらえるように設定する。


 逆に頑張りすぎる人は、「まだ現実的じゃないからもうちょっとこっちでいいよ」っていうやり取りをしてあげるってことですよ。昔は上司「99. 9%で終わる目標を冨塚が設定できたら、君は目標設定する側としては100点満点だよ」と。

 (トミー)なぜか?「100%はみんないきたいから、100%まで頑張ろうと思うんだよ。それでもどんなに頑張っても99で終わっちゃったっていうぐらいは、ものすごく良い目標は、最大限力を伸ばす目標設定ができたよね」っていう風に言われたわけ。


「(トミー)まあ僕はでも100いきますけどね、何があっても」みたいなことを言いましたけどっていうような話もあるぐらい、目標を設定するっていうのは、実は口で言うほど簡単ではないということです。わかりましたか?


(ヒガキ)はい、ありがとうございます。普段、僕はそういう風に設定するときに話し合いをして、納得感をなるべく持ってもらいたいなっていう風には思うんですけど、例えば半年後の目標とかっていう大きな話で、結構まとめちゃうことが多いので、「1ヶ月目はこれぐらいやってみよう」みたいな、徐々にやれる範囲を伸ばしていくみたいなところがいいやり方なのかなと今。


(トミー)それがいいかどうかっていうのは、そのときに置かれてる状況とか、環境っていう問題もあるし。営業で言えば、月間目標とかね、小刻みに目標設定してる会社なんかもあるし、いきなりゴールだけやりましょって言っても難しいから手前に刻んであげるっていうことはそれはそれでいいんじゃないすか。


(ヒガキ)はい、ありがとうございました。



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