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部下の査定に悩む管理職に教えたい考課のポイント【元リクルート役員トミーの人事評価解説】



マネジメント総数10,000人以上!元リクルート役員で弊社、株式会社エクスペリエンサー取締役 冨塚 優(通称:トミー)が主催する、人材育成、組織開発のナレッジが詰まったYOUTUBEチャンネル「ポケカルビジネスTV」の内容をダイジェスト版としてご紹介していきます。


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【この記事(部下の査定に悩む管理職に教えたい考課のポイント)で書かれていること】


査定のフィードバックはどのように行うべきか?

(ハラダ)はい、今回初めてですね、私の方が出ることになりました。ヒガキさんの上司なんですけど、ハラダと申します。冨塚さんとはすごく長くずっと上司と部下の関係でいたんですけれども。

(ハラダ)最近はヒガキとかと話してると、一番難しいなと思うのは査定のフィードバックなんですよね。メンバーを持っていて査定をしなければいけないけど、うちの会社みたいな、事前にちゃんと握り合って、こういうことをやりましょう、それに対して評価はこうしましょうみたいなことでやってるんですけど、「何か評価がうまくつけられない」とか、「どう伝えたらいいかわからない」とかっていうような相談を受けることがあるんですね。


僕自身、(トミーさんと)上司部下だった頃に、やっぱ色々と教わったことがあって。その辺をですね今回富塚さんからみんなに言ってもらうと。多分反応が多いと思うんです。自分が初めてマネージャーになって、部下を持ったんだけど、部下にどうやって初めての査定を伝えようかとか、その人と自分がどうやって査定を握り合うかとかっていうのってすごく自分自身も難しかったので、ちょっとその辺を教えていただけますでしょうか?


(トミー)なるほど。査定のフィードバック、まさにこの上半期が終わったタイミングの会社も多いと思うんですよね。まず、このタイミングというのは、ちょうど上半期の評価をつけ終わる、もしくは今つけてるとか、場合によってはそろそろフィードバックが始まるというタイミングの人も多いと思うんですけれども、査定というのは、考課期間っていうのがあるわけですよね。


例えば<4月から9月まで働いていただいて>それを振り返って、「あなたはこの期間、こういうような業績を残したんで、下半期に関しては、こういう評価に伴って、お給料がこういう風になりますよ」というような会社が多いんじゃないかなと思います。


査定の中身は4つに分解できる

 (トミー)査定という風に一言で言っても、その中身っていうのは4つに分解できるわけですよ。一つ目の中身というのは、考課を付ける前の段階です。要はこれからこの期間、考課が始まりますというときに、①この期間中に、彼・彼女に対して、今回はこういう仕事をお願いしたい。その仕事が、こういう状態になったらこういう点数がつきますよっていうことをお互いに認識し合う、納得し合うというような場を持って進めていくという。

(トミー)二つ目は、②その中身に沿って、この期間を照らし合わせて、彼・彼女はこれぐらいの評価が妥当であろうという点をつけてっていう考課をするというのが二つ目の流れです。

(トミー) 三つ目の中身というのは、③自分がつけた考課を、組織全体とか会社全体とかで、その数字でいいですか、良くないですか。それは考課者が自分の中ではこういう感じだと思って付けてるんだけど、全体を見た時には、いやそれはちょっと違うよね。みたいな話の中で変わってくる要素。


それは外部要因もあるので、例えばコロナみたいなイレギュラーな事態になってしまったので、最初はそういう握りしてたかもしれないけど、そこは外部環境が変わったんで、やむを得んよねということも入ってくるかもしれないし、逆に業績が好調になったので、全体的には底が上がるっていうなこともあるかもしれません。

 (トミー)四つ目は、④つけた効果に対してこの中身をフィードバックするということです。何が難しいかっていうと、主観と客観のせめぎ合いになるから難しいです。考課をつけてあげる相手のタイプにもよるんですけども、自分のことがすごくできてるというふうに、常に思っててつけてくるタイプの人とどちらかっていうとあんまり自信がなくて謙遜してみたいなタイプで、低めに言ってくる人っていうのはいるんですよね。


 一般的には低めに言ってくる人の方が楽っぽく思うんだけど、別に低めにつけたり低めに言ってるから、本心が低いっていうのはまた別の話なんですよ。実は自分の中ではこれぐらいできてると思っても、そういうようなことを言うのは自分の性に合わないからちょっと低めに言っとくっていう人も中にはいるんでそこで左右されちゃいけないってことなんですよ。


逆に強気だったり、プラス目で言ってってアピールしてるっぽくね、聞こえるような人っていうのは、本当にそういう自信過剰でそういうこと言ってる人もいれば、言うだけ言っといた方がいいよねって思って言ってる人もいたりするので、なかなか見極めは難しいんですけど。

(トミー)そういうような相手のタイプはいくつかあるんだということをまず理解する。で、本来であればですよ、査定を考課をつける前に一旦面談して、「握ってた部分はこういう話だったけど自分ではどうなのだろう」と自己評価をつけてもらって、1回会うんですよ。


で、自己評価が「たっか・・・」とか思ったら、何でそういう点数付けてるのか、例えば「標準が3で君4って言ってるけど、4の評価ってのはこういう状態の時に評価するって言ってたよね」とか、「でも現実的にそこまでいってないのになんで4と高い評価をつけてんの」っていう、そういうコミュニケーションするっていうんですよ。そこで大事なことは、だからといってその点付けるとか付けないってことではなくて、これに照らし合わせた上であくまでも聞いてるだけだからねっていうそういうステップが踏めると、随分乖離をすることが無くなってくるっていう。


基本的に4月から9月まで、考課をつけるということですから、「まず何をこの期間にやって欲しいというふうにお願いしてたのか?」っていうことが重要になるわけです。それに対して、「結果がこうだったからこういう評価になってます」というこういう話でしょ。そこがまずちゃんとなってましたか?なってませんか?っていうところですよ。だから、なってたということであれば、その期間中にやってほしいことが5個あって、その5個に対して、それぞれ1項目ずつこういうような評価になってますよということをつけて、それをちゃんとフィードバックできればいいわけでしょ。


(ハラダ)自分の部下が下の部下に評価を付ける時とかに言われるんですけど、「どうしてこの評価なの」っていう話をすると、「いや、頑張ってるんです」と。「うん。どういうふうに頑張ったの?」っていうと、「いや、頑張ってるんです!」って。


事前に評価基準を明確にして握っておくこと


(トミー)わかりました。そこに関しては要は、どの基準になったら、どういう評価をするよっていうことを最初に決めておかなきゃいけないわけ。

(トミー) で、なるべく数値化できるような状態にしておくことということなんです。頑張ってるか頑張ってないかっていうのはさておき、業績の結果に対してなのか、プロセスに対してなのか、何をどういうふうに評価するっていうことを事前に決めておかないといけないと思うんですよ。


 もちろん頑張ってる、頑張ってないっていうのはあるし、ラッキー、アンラッキーっていうのもある時もあるんだけど。例えば売上目標に関して100%いけたら真ん中の A 評価にしますよとか、これが10%、それを超えたら S 評価です。5点が平均で6点ですねとかね。これを下回って90%だったら B 評価ですよ。それをさらに下回ると C 評価ですみたいな、どうなったらどういう評価になるのかっていうことを、ちゃんと事前に握りあっておくっていうのが①。

(トミー)今みたいに数字でなるべく表現できるようにしておきたいところなんだけど、なかなかそうはいかないこともあります。以前、この YouTube の中でも言いましたけど、 YouTube 初めてやるっていうタイミングで、ヒガキくんに「じゃあこの YouTube をどういうような状態になったら何点ね」っていう時に、どれぐらい視聴されるかも全くわかんないんで、であれば、何本リリースするっていう風にする、本数の目標もそうなんだけれども、「そこのプランニングのクオリティというものに対して、私が求める基準に達していたら3です」とかね。


「それが達してなかったら2で、すごく期待以上のものができたら4です」っていう風に置くとするじゃないすか。

その期待って何なんだよっていうところのすり合わせができてないといけないっていうんですよ。


(ハラダ)そうですね。そこがすごく難しいなといつも思います。


(トミー)例えばそれがもっとこういう風にした方がいいんじゃないか。という風に言われる回数が、週に5件程度だったら、標準値とか。それも数値じゃないですか。僕はやっぱりね数字にする癖がついてるんです。そうじゃないと客観的に評価がやっぱり難しいんですよ。


頑張ってる・頑張ってないじゃんって、プロセスにおいてであれば、毎月報告の場を用意して、そこの時にどういうような評価をフィードバックをされたのかっていうことの積み重ねで、これはなかなか期待通りできてますねとか、今回はまだ期待通りになってないよっていうことを、プロセスを区切って3段階、例えば上半期であれば2ヶ月に1回フィードバックするからっていう風に決めて、その時のクオリティで、〇△✖ってことを言ってくからねっていう風にするとかね。


事前に握りができているケースっていうのは今みたいな話で付けていくっていうことだし、できていないんだったら、次回の考課が始まる時に、ちゃんとそういう項目と、どうなったらどういう点数が付くのかっていうコミュニケーションをしていく必要があります。これが事前の話し合いができていないのに、評価をしないといけない、今見てる方が「そういうの決めてなかったわ・・・」と。でもしょうがないんでやんないといけないでしょ。

(トミー)その時には、何を軸に決めるのかっていうことをやっぱり決めないとダメですよ。で、自分なりには、これがここら辺までできているから、この点数だったということで、具体的な内容をちゃんとフィードバックします。


「いつも頑張ってくれてるからAで!」ではなくて、どういう事柄に対して、こういう状態まで持ってって欲しいと思っていたので、これが期待通りにできてるから、その点数だと、期待以上に出来たからこうです、期待通りに達してないと言う場合、どういう状態までその事柄を持って行ってたら、Aだったんだよ、標準だったんだよみたいな、具体的に自分がやった事柄で、抽象的ではなくて具体的なポイントなんです。その具体性がないと、印象論で付けられたっていう話になっちゃうんですよ。なので、事前に握るときも具体的に握る。


評価は具体性が大事なのでなるべく数値化する


それから今度は、考課者が自分でその考課の点数を付けるわけですけども、これを承認をしてもらうっていう場が多分あるんですね。リクルートの場合なんかで言えば僕が担当してた組織は、みんなで組織長が集まって、全体を決めていく中で「彼・彼女はどうなの?」みたいなことをやっていくわけですよね。で、同僚のマネージャーがいて、部長がそれを見ているとかね。場合によってはその人事の人が入って、その評価が適正かどうかっていうのを見るみたいなことがあるわけですよ。そこも客観的に、なぜそういう評価になってるのかっていうことが説明できないと、納得感が無いっていう。

 

(ハラダ)やっぱり具体的というか数字とかじゃないと駄目ってこと。


(トミー)そうなんですよ。数字に勝るものはないので。今大谷翔平選手が MVP になるかどうかっていう風に言われてるけど、ああいうのも、 MVP の基準は何かっていうのはないわけですよ。だから、決めるのが面倒くさくて、主観が入ってくるんですよ。主観は例えば3冠王 vs 大谷翔平五冠王みたいなね、なった時に、これどっちなのっていう風になりがちなんだけども、その MVP ってそもそも何なんですか、最も活躍したっていう、その活躍ってのはどういう意味での活躍なんですかっていう風に、そこが定義ができていれば、あんまり揉めないんですよ。


(ハラダ)なるほど確かによくあるのが、その異種格闘技戦というか、例えば営業と経理とスタッフ部門の人とって全部一緒のところでやるじゃないですか。それぞれ数字で出てくるけど、それぞれちょっとずつ意味合いが違ったりとかして、なかなかそこの議論は難しいなって思うことがあるんですが、それは同じですか?やっぱり。


(トミー)うん。全く同じでしょうね。なんで査定もそうだし、何か表彰するのを1人決めるみたいな時もそうなんだけども、大切にしているものが何で、それをどういうふうに越えてってるのかっていうところがやっぱポイントなんだと思います。例えばメジャーリーグの中で、観客をこれだけ沸かせた、だから MVP なんだ!なのか、プロの目から見て、素晴らしいという風に思える選手なのかとかね。じゃあ、その素晴らしいってのは何なのかっていうと、今年最も数字が良かった選手。


その数字っていうのは何の数字なんですか? みたいなところを擦り合わせをしていくってこと なんですよ。そこが初めから決まってないと大変なんだよ。主観の集まりでも投票で、投票の数が多かった人が一番ねっていうふうに決めておけば問題ないわけですよ。

(ハラダ)そうですね。色々今聞いてて思ったんですけど、結局査定って付ける側にきちんと能力がないとというか、付ける側が、相手のことをきちんとわかって、相手にどういう姿になって欲しいかとか、それにはどういう定量のものを求めたいかとか、それをどう握ってるかとかが上の人が試されるということですね。


(トミー)もちろんそうですよ。だからこそ考課者訓練みたいなね、トレーニングが実際に研修商売になってたりとかね。


(ハラダ)なるほど。


(トミー)そこが重要なんだと思いますよ。


(ハラダ)はい。今日はそこがすごくよくわかりました!

(ハラダ)部下の査定に悩む管理職に教えたい考課のポイントを今日は解説していただきましたが、本当はですね、富塚さん査定で何か苦労したことあるかとかですね、エピソードもちょっと聞きたいなと思ってたんですけど・・・


(トミー)まあ、それはちょっと特別な方だけに伝えててあげてもいいかなっていう気もしてます。


(ハラダ)えーっと、私はずっと一緒にいるんで、よく知ってますけど、それはまた別ということで、はい、よろしくお願いいたします。


(トミー)(ハラダ)ありがとうございました!



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