マネジメント総数10,000人以上!元リクルート役員で弊社、株式会社エクスペリエンサー取締役 冨塚 優(通称:トミー)が主催する、人材育成、組織開発のナレッジが詰まったYOUTUBEチャンネル「ポケカルビジネスTV」の内容をダイジェスト版としてご紹介していきます。
弊社の組織人事に関わる課題解決サービスについては、こちらより
【この記事(やりたい事がないメンバーへの接し方)で書かれていること】
やりたい事がないメンバーとの接し方
(ヒガキ)こんにちは、ポケカルビジネス TV 司会のヒガキです。今回のテーマは、やりたい事がないメンバーへの接し方です。メンバーと面談していると「やりたいことないっすよ」って言われることが結構あったりするんですけれども、トミーさんがそこをどう解消しているのか、お伺いしていきたいという風に思っております。
(ヒガキ) はい、よろしくお願いします。
(トミー)よろしくお願いします。
(ヒガキ)前回までの動画で、メンバーと向き合って、キャリアとか志向とかを吸い上げ、どういう風にマネジメントしていくかというところを勉強させていただいたんですけれども、そういうメンバーとの対話を繰り返す中で、自分にはキャリアの思考がないとか、やりたいことが見つからないみたいなことを言われることって結構多いんですけど、そういうときってどういうふうな対応をされますか?
(トミー)若い子だよね?それ?
(ヒガキ)そうですね。
メンバーとの会話で言われたこと
(トミー)でも、あれだね僕リクナビの編集とかね、やってるときに学生向けの講演で、結構その手の質問があるわけ。じゃらんの時とかも、若いメンバー、特に CV社員(3年半で卒業していく前提の契約社員)とか、そういう人たちに、3年後どうなりたいの?と、リクルートの人よく聞くわけ。
で、あるとき、残り1年というタイミングで研修を受けてきた CV社員のメンバー、30人ぐらいと面談したわけ。卒業後、じゃらんで学んだことをどう活かして、次のステージに行きますか?みたいなことを考える研修だったんですけどさ。そのうちの1人と面談したときに、「ノゾミはどうなりたいの?」っていう話をしたら、「いや、どうなりたいかよくわかんないんですよね」いや、研修行ってさ、それ考えてきたんじゃないの?って言ったら、普通にね、顔色が変わるわけですよ。
やばい、地雷踏んだか?って思ったら、「どうしてリクルートの人はすぐどうしたい?とか聞くんですかね。それがわかんないから、ここに来て、何が向いているのか探しに来てたのにどうしていいんだかよくわかんなくなっちゃいます」こういうふうに言われたわけ。
頂点を目指す、山登り型の教育
(トミー)その時にふと思ったんです。なるほどリクナビの編集長のときに学生向けの講演でよく言ってたのは、日本の義務教育っていうのはどちらかというと山登り型のね教育で、山の頂上に向かって進んでいくと、人によっては一番近道で行きたいです。一番近道って何かっていうと急な斜面なんですね。一方で遠回りに見えるんだけど、車の道路ってのはこういう風になって登っていくわけじゃないですか。
そんな行き方はどうあれ、山登り型を目指すんだったら、ルートをね、チェックポイントを置いて登っていくんだと。ていう教育が多いんだけど、本当にね、そういう風に決めてやってましたか?ってことを自分で振り返ったわけですよ。
一生懸命、目の前の業務をこなしていた時代
(トミー)そうするとさ、まあ俺は目標とかはあるよ。リクルートに入っていろんなスキルを見つけて独立して経営者になるんだっていうのはあるんだけど、でも実際に日々の業務をしていると、その営業の目標があって100%っていう数字を達成するっていうことを目的とするとさ、その数字を上げるために何社プレゼンをしてみたいな。そうするともういろんな出来事が降ってくるわけですよね。
いやいや原稿のミスが出たとかさ、説明会に学生が全然来ないんだけど、どうしてくれんの?という風に言われたりとかさ。日々は日々の業務をどうやってうまく回していくか、本当に忙しかったし、やることが山積みになっていた時期があってさ、それを振り返ったときにね、一体自分は何をしてきたんだろうっていうと・・・
ラフティング型激流で学んだこと
(トミー)リクルートの 営業組織という激流の中に、僕はラフティングで、ここの目標に向かって進んでいくと。ところが、まだそんなにスキルがないね、新人時代とか、若い時代っていうのはさ、激流が来ると、うわーって言ってひっくり返るんですよ。もう一回リスタートを切るまでに5分とかかかっちゃう、慣れないと。ところがさ、1万回繰り返してるとだよ、ふっと起こしてパパっと掻いて、 乗り込むっていうところまでは30秒も掛からなくなるわけですよ。
どういう風にすれば、もっと早く乗れるのかとかね、ということが体に染みついて、次はそのまま行くと岩がある!ぶつかっちゃったっていうのが最初だとすると、ちょっと力はこう入れたら「おおー曲がる曲がる」みたいなさ、だんだん微調整で、ひゅうひゅう行っていけるようになると、今度はコース取りに考えて、こういうね、道で行った方が早く行けんじゃないっていうのを、川の流れを見ながらコントロールする。
10万回やればね、結構早く行けるようになるわけですよ。日々の繰り返し、その激流の業務の中でも得てるものがあって、スキルとか、そういうものを得ていくと、自分の思うような方向にどんどん進められるようになるっていうのは、ビジネスも同じだと思う。なので、目標達成に向かうっていうやり方もあるんだけど、もう一つは、日々の業務の中で自分が振り返ったときにどんなスキルが身についたのか?
繰り返しの先にあるもの
(トミー)水をかき出す、早くパーと掻きだす技術が身に付いたとかさ、どういう角度でボートをね、元に戻すと、自分が乗り込みやすいのか、どれだけ力をかけると曲がっていくのかみたいなものを自分の中で会得していくっていうのは、やっぱり回数を重ねることによってこういうスキルが身に付いたなっていうのが理解できるわけですよ。それは振り返るから、わかる。振り返ってみると自分にこういうスキルがついてきたな、じゃあ、このスキルを使ってもっと早くするためには、次何をすればいいのかっていうのを考えていく。
だから、そのね、 CV のノゾミちゃんにも言ったんだけどね、「ごめんね。何が向いてるかわからない、そういうのはわかった。じゃあね、あなたはこのね、2年半のじゃらん生活の中で、最初はできなかったのが今できるようになったのは、どんなことができるようになったの?」
と、そうすると「いや、できるようになったなんてことなんて、そんなありませんよ」って大体言うんだけどさ。「そんなことはないでしょう。最初はアポ取りもできなかったんでしょう?お客さんの会話をするときだって、自分がやってほしいことをすぐに伝えるってことできなかったよね。まず相手は、何が言いたいかと理解できる能力が身に付いて、それを相手に伝えるときも、三つあってねと整理をして喋るとかね、そういうこともできるようになったよね。スマホを使ってお料理の写真を撮るのに、こうやって持ち上げて撮った方がシズル感が出るよねとか、この前、言ってたじゃん。そんなこと入ったときできなかったでしょ。何ができるようになってきたのかってことを考えてごらん。で、じゃあもう1回考えてから面談しよう」って言って、 「こういうことができるようになりました」と。
スキルを会得出来て嬉しかったもの
(トミー)じゃあそのときにね、できるようになって嬉しいことと、嬉しくないことと、これちょっと分けてもらう。そうすると、例えばお客さんからね、すごくわかりやすかったありがとうって言われたから、スキルがついたってことは嬉しいです。とか、写真がうまく撮れるようになっても、私はあんまり特に嬉しくないですとかね。そういう風に、何が嬉しくて何が嬉しくないのか?こういうスキルがついて嬉しい、ということはそれやってて面白い?と楽しい?ってのだから。
(トミー)面白いと楽しいの違い、分かる?
(ヒガキ)興味深いと感情的に楽しい。
(トミー)面白いっていうのは、「面が白い」って書く。だから、気づき発見があった時、面が白くなる。はぁっていうね。青ざめると違うからね。ヒガキくんが僕に詰められて、青ざめるとはちょっと意味が違うんですよ。楽しいとは「ラクしい」いかに楽をして、大変なことを、短い時間でできるようになると楽しくなる。自分が面白いことと、楽しいことっていうのもちゃんと整理をしてっていうふうになってくると。
例えば、交通費伝票ね、ずっと全部打ってると。銀座から門前仲町、(行先)佐川急便(交通種類)メトロ(金額)160円とか書く。書いてた訳です、当時。ところが「さ」ってポンと打つと、これがもう、単語登録されてるわけ。
佐川急便なんか、週に3回4回も行ってるわけだから、これ毎回打ってたら時間が全然違う。15秒と1秒みたいな。
なんか、それがどうしたんですか?みたいな顔してるけど・・・
(ヒガキ)いやそんなことないです!
(トミー)この14秒縮まるっていうのはね、月の分をね、10回20回打つことを考えると、140秒になって280秒になってっていう、これ何分っていうこの積み上げなんですよ。これが僕は楽しいわけね。一方、面白いっていうのは、気づき発見だから、こういうお客さんはこんなアプローチをすると、こういうふうな反応が返ってきてくるんだ。それを違うお客さんに試してみたら、また違う反応が返ってきた!なるほどこんな違いがあるのでっていうのを、面白いわけですよ。
というように、自分の中で楽しいことっていうのを分けて整理をしていくと、これ面白いよね。ていうところの仕事が好きなわけですよ、結局は。なので、振り返ってみて、自分が面白かったか?ていうのを突き詰めていくっていうのがいいんじゃないのっていう話をノゾミちゃんとしたわけですよ。なので、まずはやってみるってことですよ。
(トミー)食べもしないのに、私は好きじゃありませんとか。ちっちゃい子供そうだよね。うちもちっちゃい子供いるけどさ、食べる前から「もうやだ」「食べてごらんよ美味しいから」「嫌だ」とか。で、「あ!」とか言って「フッ」って口に入れると「んわ」とか言いながらでも「おいしい」って言う。
そうすると次から何も言わずに食べるじゃないすか?なんで最初は少し抵抗あるかもしれないけど、上司からするとやってみせ、やらせてみせる、ようなことのステップを踏んで、何が面白くて面白くないのかっていうのを、取捨選択をさせていくっていう中で、やりたいことっていうのが見つかるんじゃない。
(トミー)これが1ですね。で、2はね、リクルートの一つ後輩に、有森裕子さんがいて、マラソンのオリンピックでメダルを取った後に僕らの部の部会に来てくれたわけです。
「仕事が向いていない」「才能がない」のは本当か
(トミー)で、質疑応答の時間、私はね、今の営業という仕事に向いてないと思うんだけど、有森さんもね、最初長距離の記録が全然伸びないっていう風におっしゃってたんですけど、その時に自分が向いてないから、違う競技に変えようっていう風に思わなかったんですかって。そしたら有森さんは、何て答えたでしょうか?
(ヒガキ)向いてるか、向いてないかまだわかりません。
(トミー)おっ!!!!残念。 向いてるか向いてないかっていうのは、自分で判断するものではありませんと彼女は言ったわけ。それは何かっていうと、才能があるとかね、才能がないっていう言葉と、すごい近いんだと。で、才能がないっていう風に自分で言ってる人は、それは自分で思い込んでるだけで、それは努力をしていけば最終的にその結果は出る確率は上がっていくと。で、結果が出れば、その人は才能があったっていうふうに言われるだけなんだよ。
(トミー) これなかなか奥が深いなと思って。結局ね、諦めるか諦めないかってことに近いんだよね、これ。自分で諦めちゃった人は向いてないとか、才能がないっていう。人からね、君向いてないとか、才能がないよっていう風に言われるんだったらまだしも、なんで自分で限界をね、決めて言ってしまうんだっていう。
なるほどなーと。実は俺も営業でね、そんなに成績が出てなかったから、なんか営業って向いてないんじゃないかな?なんて思った時期もあるんだけど、やっぱり向いてる向いてないではなく、努力がまだ足りないっていうね。
向いてない仕事で結果を出すということ
(トミー) 何でそういう風に思ったかっていうと、これは部長に言われたんだけど、自分が向いてないという風に思う仕事でも、人並み以上業績を出さなければ、自分が向いている、やりたいって思うような仕事で、一流の数字を出すことはできないと言われた。
(トミー)ビジネスの世界で言えば、ある一定ね、事を成そうと思ったら、向いてるとか向いてないではなくて、どれだけ、それに対しての情熱をかけて努力をしてスキルを習得することができるかっていうことがやっぱり大事で、それをやってる人っていうのは、標準より上のレベルには間違いなくいけるはずなんです。そっから突き抜けるっていう話になると、これまた話は別の世界があるんだけど、そこは向いてるとか向いてないっていう話ではないと思います。
やらされている仕事について
(トミー)もう一つ、やらされてることに対して、向いてる向いてない、志向の問題とかもあると思うわけです。例えば、僕、新人の時に、求人の営業やってて飛び込み大会ってのがあったわけですよ。今、こんなことやったらもう、コンプライアンス上大変な問題になると思うんだけど、とにかく名刺を獲得するんだと、飛び込むとさ、怒られるわけですよ。何しに来たんだとかね。またリクルートかー!とかさ。新人が同じように34人もいるしさ、他にも代理店さんとか他の部の人たちもいっぱいいるわけですよ。それが一斉に飛び込みDAYとか決めてやってるからそれは怒られるわけですよ。
そんな飛び込みで名刺をもらって何の意味があるんだよと。俺たちの仕事は採用をお手伝いして、お客さんにいい人を取ってもらって喜んでもらうっていう仕事なのに、ビルを上から下で、そんな意味がないなと思いながらやってるから、さらに怒られるとやる気がなくなるわけですよ。僕はもう飛び込みは嫌い、向いてないという。でも、新規のアプローチをして、受注をいただかないといけないわけで、じゃあどうするかっつったら電話をかけるわけですよ。アポ取りの電話をして、1日200件ぐらいかけてようやく1件、アポが取れるみたいなね。そんな感じだけど、飛び込みで怒られるよりは、電話の向こうで怒られてる方が、また顔見えないし、怒られてる感がなくていいなと思ってたから、飛び込みは一切しないと。
ところが、5年目ぐらいのリーダーになって下にね、メンバーがついて、飛び込みを上司と一緒にやってくださいと。俺はさ、飛び込み嫌いだし向いてないから、やんないよ1人でやってこいよって言うわけにやっぱ立場上いかないから、それはやっぱりいい格好見せたいから一生懸命下準備をするっていうね。鏡向かってロープレを1人でやって、後輩に恥をかかないようにというのはやったよ。やったけど自分では向いてないと思うわけ。それはやってから、嫌いだから嫌だ。でも成果を上げるっていうことを目的とすれば、飛び込み以外にもいろいろなアプローチの方法があるわけだからさ。
自分の可能性に蓋をしないということ
(トミー)まずは向いてるか向いてないかではなく、あなたはこれをやってくださいと言われたことにおいて、最高の業績を上げられるために一生懸命やっぱり努力をするってことなんですよ。その努力の過程の中でいろいろと身に付いていくことがあるから、その身に付けていったことが、私は面白いと思うか、あんまり面白くない興味を持てないかってことをちゃんと整理をしていく。そうすると、自分が興味を持てて面白いなって思えば自分でね、一生懸命調べて、すごく深く入ってくるわけじゃないですか。
そういうようなことを頑張ってやればいい。でも、そこのことだけをやってるというと、ビジネス上では成果が上がらないので、それは自分がちょっと苦手だなやりたくないなってこともある一定レベルは出来ないと駄目なわけですよ。別にオールマイティーになるって、最初、まだ若いうちに自分で自分の可能性に蓋をするなってことを僕は言いたくて、この仕事をやってねって言われたものに対して、どれだけちゃんとその高い成果を上げられるように努力するか、スタンスの部分も非常に大事だと思う。
(ヒガキ)やりたいことがわからないっていう子たちから質問をもらったときっていうのは、逆にその子たちを気付かせるチャンスっていう風に考えられるってことですよね?
メンバーの言葉の背景をきちんと理解する
(トミー)そうだね。そりゃそうだ。もう一つは、何でそういうことを言ってるのか?背景を理解出来ていることの方が重要かもしれない。やりたいことが見つからないんですよっていう風に言っている背景は何ですか?と。
(ヒガキ)今の仕事でそのラフティングが辛すぎるからとか、そういったところもちゃんと見ながら。
(トミー)なぜその言葉が出てくるのか?心底本当に向いてないって思って言ってる人ってどれぐらいいるの?っていう。なかなか確かにその成果が出ないから、もうなんか嫌ですよって思って言ってるのか。いや、 実は自分はもうこういうやりたいことってのは明確に持ってて、それをやりたいんだけど、なかなかやらせてもらえなくて仕方なくやってるからそういう風に思ってるのかとかね。
何事もその背景を知るってことがすごく重要なんですよ。そこをちゃんと見ていないと、その言葉だけに上司が踊らされると、全然違うアドバイスになって、相手にとっては全く刺さらないアドバイスになるっていうことです。
(ヒガキ) はい、今回もまたいろいろと勉強になりました。ありがとうございました。
本日の学び
(ヒガキ)今回の動画はいかがだったでしょうか?今回はマネジメントのことはもちろんですけれども、自分の仕事の進め方についてもちょっとグサッと突き刺さった回でした。
本日のヒガキの学びは三つです。
①まずは「やってみる」ことが大事
これは本当に大事ですね。やらないと何も学べない。という風に実感しました。
②「向いていない・才能がない」は自分の思い込み
自分の可能性に蓋をしてしまうということですね。
③向いていないことで結果が出なければ、やりたいことで最高の結果を出せない
確かに与えられたことで結果を出せない人間が、自分のやりたいことがあったからって言って、爆発的な効果を出せる確率っていうのはめちゃくちゃ低そうな気がしました。回を重ねるたびにマネージメント=やりくりという言葉がどんどんどんどん腹落ちしてきました。
●実際の動画はこちら
●ポケカルビジネスTV YOUTUBEチャンネルはこちら
●人材育成・組織課題の解決支援を行う株式会社エクスペリエンサーは元リクルート役員冨塚と、同じくリクルート出身の富樫とで共同創業をした会社です。
人材育成は体験に軸足を置いた研修が特長。組織課題の解決は、各企業のありたい姿の実現に寄り添い、現状とのGAPを埋める課題解決策の実行を支援いたします。何かしらの人と組織にまつわる課題の解決をお考えの企業様は、是非お気軽にお問合せください。