マネジメント総数10,000人以上!元リクルート役員 弊社取締役 冨塚 優(通称:トミー)が主催する、人材育成、組織開発のナレッジが詰まったYOUTUBEチャンネル「ポケカルビジネスTV」の内容をダイジェスト版としてご紹介していきます。
【この記事(なあなあな組織を引き締めるチームマネジメント方法)で書かれていること】
なあなあにならずにチームのいい雰囲気を作るには?
(ヒガキ)今日は視聴者の方から、「こんな悩みあります」といただいたので、お伺いできればと思います。
僕の方もよくあるな~と思ったんですけど、”チームの雰囲気を良くしたい中でなあなあになる・だらけることと、いい雰囲気は近しい?”というような気がして、なあなあにならずにいい雰囲気を作るにはどうしたらいいでしょうか?
(トミー)まず、なあなあという雰囲気と、いい雰囲気というのを定義してください。
(ヒガキ)ん~~~~と~~~~難しいな、ええっと?
(トミー)いい雰囲気というのはどういう雰囲気のことを言っていて、なあなあな雰囲気というのはどういうことを言ってるの?
(ヒガキ)いい雰囲気はメンバー全員が仕事を楽しんでいる状態
(ヒガキ)なあなあな雰囲気は、業績に対してぬるい!って感じですね・・・
(トミー)こういう言葉はすごく形容詞的な言葉だから、人によって感じ方が全然違うんだよね。いい雰囲気っていうのは、ヒガキのいい雰囲気とサトウのいい雰囲気とハラダのいい雰囲気っていうのは一緒なのか違うのか?なあなあも一緒。
理想を定義する
(トミー)何をもってしていい雰囲気・なあなあな雰囲気を定義しているか?が大事だと思うよ。例えば、10人のグループで10人ともがいい雰囲気ですって言ってるのか、10人ともがなあなあな雰囲気ですって言ってたら分かりやすいっちゃ分かりやすいんだけど、ヒガキ一人がいい雰囲気だと思っているのに、メンバー9人は実はいい雰囲気だと思っていない、ヒガキ一人がなあなあだなと思っているのに、メンバー9人は「別にいい雰囲気ですよ」というのはよくある話ですよ。
(トミー)いい雰囲気という言葉ではなくて、理想のグループ像とか、理想のグループの雰囲気という事なんだと思うんだけど、言いたいことは。
逆にいえば、理想のグループ像っていうのは、こういう像だよねとか、理想のいい雰囲気のグループっていうのはこういうのだよねって定義をして、それをグループ全体で共通の言葉にしておく。ちっちゃな組織の場合はそうですよ。
定義をしていないにしても、いい雰囲気とかいい雰囲気じゃないっていうのは例えば、サーベイを取ってるような組織の場合で言えば、サーベイのスコアが全組織の中の何位だとか、何点だとか、世の中全体の平均点に比べてそのサーベイを取ってる会社はどうだとか、そういう部分の点数で表すことも一つかもしれないけど、多分言いたいのはそんな型っ苦しいことそ言ってんじゃなくて、「いい雰囲気っちゃいい雰囲気なんですよ」、「なあなあってのはなあなあなんですよ」っていう風に言いたい気持ちもよくわかる。
なあなあってどんな状態?
(トミー)じゃあ、なあなあっていうのは何を指してるんですか?
(ヒガキ)本来もっと頑張れるとか、もっと自分事として捉えられるみたいな業績とかに対してアグレッシブに行動できるはずなのに、「今日はさ~みんなダルいから帰ろうね~」みたいな、最後のひと踏ん張りというか、前向きな矢印が出てない状態というイメージあります。
(トミー)難しいね。言葉の定義がやっぱり。前向きな雰囲気が出ていないのがなあなあ。
(ヒガキ)そうですね・・・
(トミー)例えば、俺がね、そのなあなあって言葉を使うとしたら、どういうことかって言うと、規律がない・仲良し集団。仲はいいんだけど、「それは駄目だよね」とか注意すべきところを注意しない。嫌われるのが嫌だから発言しないとか、そういうのをなあなあな雰囲気と言うのじゃないの?「まぁまぁまぁ」が多い。
(ヒガキ)そうです、そういうイメージです。
(トミー)それは規律の問題で、やるべきことはやる・𠮟るべきところは叱る・注意するみたいなメリハリがない。いい雰囲気の逆の言葉は悪い雰囲気だと思うんだけど、悪い雰囲気っていうのは、ギスギスしているとか人間関係がよろしくないとかでしょ。それに対して、いい雰囲気っていうのは、お互いがお互いを思いやって行動ができるとかちゃんとアドバイスしているとかさ、業績もいいしそれに対しての一体感があるとかね。そういうことだと思うよ。
(トミー)その一体感があるっていうのが、甘い部分だけしかないと、なあなあになると言ってるように聞こえるんですけど。
(ヒガキ)おっしゃる通りです。
(トミー)で、それが?
(ヒガキ)そこが、一体感があるなかで注意すべきとか注意できないとか、規律がないからなあなあになってるなってところで、解決頂いちゃった感じは逆にしています。ただ、そういった意味で、この前の年上部下とかの話にもありますけど、規律の部分に関してマネージャーとして変に遠慮してしまう部分があったり、逆にメンバーからも遠慮してしまって、信頼関係とか人間の関係性はできてるものの、組織としての関係性がうまくてきていないというのがあるのかなと思っていまして・・・
規律とゴールの明確化
(トミー)例えば、僕、野球やってたから、野球サークルとプロ野球じゃ違うよね。高校野球でも規律があるって表現をするけど、例えば、長髪OK・先輩も後輩もなく呼び合う、先輩が後輩にもさん付けで呼ぶチームとか・練習の仕方はメンバーが決める・監督は特に口出しすることもなく、自主性を重んじてるみたいな。まあ野球というよりサッカーの方が、そういうチームが多いようなイメージがあるんだけど。そういうような部分で、「自由闊達な雰囲気で規律がある」のと「自由闊達で規律がない」のの違いは何でしょう?
(ヒガキ)・・・・・・
(トミー)それは簡単で、ある一線というのがあるんだよ。その一線を越えないということです。まず、なあなあな組織はゴールがちゃんと明確になってることが重要じゃないですか。例えば、甲子園に出るとか花園に行くとか国立でプレイするとかさ、そういう高校生の部活動でいえば最後のゴールはあるわけだよね。
全部のチームが全部そこ目指してるわけではないけどさ、チームとして1回戦突破でもいいし、ベスト4までいこうでもいいんだけど、目指すところがあるわけじゃない。
(トミー)それに対してそこに行くんだったら、最低限こういうことはちゃんとやんなきゃいけないよねというのがあるはずなんだけど、それがどうでもよくなってる状態がなあなあなんでしょ。
ルール・規律の形骸化
(トミー)もしくはルールは決めるんだけども、これを守ってこうぜって決めるんだけど、いつのまにかそのルールが形骸化していて誰も守んない状態。これ組織にも結構あるよ、ビジネス組織にもね。
例えば、「新規をもっと獲得しなきゃいけないからみんなで毎日30分間新規のアポ取りをしよう」というふうに決めて、じゃあやろうと。ところが、「社長のアポが入ったので、今日はかけられません」「お客さんから大事な電話はいったんですいません抜けます」ていうふうになっていって結局決めたことが全く守れなくなっていく。これなあなあって言うんです。そういうふうになって業績も上がんなくなってく。
(トミー)でも、人間関係はいいし、仲がいい。これをいい雰囲気と言いますか?結果だけを求めると、別に人間関係どうでもよくて、ギスギスしててもどうでもよくて、成果だけあげてるっていうのもあるわけじゃないですか。決して良い雰囲気じゃないけど成果は上げてるっていう。これも理想の組織像ではないんだよね。でも、それが理想の組織像だっていう人もいるかもしれない。
「結果だけ残しゃいいんだプロなんだから」そういう人もいると思うよ。定義ということもそうだけど、目指すところっていうのがちゃんと握れてるっていうことだろうね。メンバーと上司と。
(ヒガキ)ゴールを一緒にここ目指しましょうって言ったときに、「それをどういうふうにやれば行けるの?」ってとことまできちんと話せればそこがルールになる。
(トミー)そうだね。あと、なあなあって言葉の根本的な問題ってのは、決めたことを守らないことだと思う。
「なあなあ」問題の本質
(トミー)それで言うとこの会社もそうでしょ。「昔から決めるんだけど守れません」とみんな言ってるんだ。「だったら決めるなよ!」と俺は言ってるわけで、「できないことを決めるから守れないんでしょ?やるって決めたらやり通せよ」やっぱそこは意志の問題なんだと思うよ。
もしくはそれに対してそこまで言わないんだったら、それ自体全部やめちゃうってことだね。昔やったんだよ。ヒガキが来る前かな?本をいっぱい買ってあげてさ勉強になるだろうと思ってね。「感想をかけ」っていってさ。で、本をちゃんと読んだら次の人に回してって言って、最初やるんだけどだんだんみんな本も読まなきゃ感想も書かなくなって、「だったらもうそれ自体をやめる」。
できないんだもん、この人たち。何でできないのかっていうとやる必要を感じてないからでしょ。もしくは必要を感じてても他のことよりは優先の順位が低い。だからやんないんでしょ。それが業績に直結することで、絶対にやんないと業績あがらないんだったらやらせるよ。やらせるけど、「みんなの力をつけてあげた方がいいよなー」と思った親切心でやってるだけの話だから「みんながそういうつもりなんだったらそれはやんなければいいし、そういう期待も君たちにはしません」という話です。
(ヒガキ)一番やっちゃいけないやり方としては、形骸化したもののそのまま放置というのが、そういう意味ではいけなくて・・・
(トミー)なあなあな組織を引き締めるチームマネジメント方法として、一番やっちゃいけないことは、できないことをやろうとすることでしょ。
(ヒガキ)あぁ・・・そうですね。
(トミー)形骸化させることが一番悪いんだから、形骸化したことを放置していることが悪いんじゃなくて、形骸化をさせてしまってることが悪いんです。やると決めたことはやるし、できないんだったらやらないってことを決めるってことでしょ。それはなあなあって雰囲気とはまたちょっと違う気がするけどね。なあなあは、できない言い訳をみんなでして傷の舐めあいをしてるように聞こえるけど、違うの?そういうこと言ってんじゃないの?
(ヒガキ)それもありますけど、でも・・・先ほどのなんか形骸化するの方が自分の中ではしっくりきて・・・
(トミー)形骸化させてるのはマネージャーの責任だからね。
(ヒガキ)はい、そうですね。
マネージャーの責任
(ヒガキ)なあなあになちゃってって時に、形骸化させてしまった自分をちゃんと課題として捉えてなかったなってのは一番感じます。もしかしたら、もっと働きかけなきゃいけなかったのかもしれないし、もっとやる意義とかを伝えなきゃいけなかったかもしれないし、そもそも最初のそれを設定しようとしたときに「本当にそれで設定してみんなでやれる?」ってところの確認をしなかったとか、なあなあを生んでるのもやっぱりまたマネジメントの自己原因だなというのは感じました。
(トミー)なあなあを生むのは上の人の責任ですよ。まあ、下手すると上の人間が、なあなあになってるケースもあるからね、下のまじめなやつが「もう勘弁してくださいあの上司・・・」って。
この間「ポケカルビジネスTV見てます」っていう人とたまたま食事してるところで会って、「私の一番の悩みは上司が変えられないことですよ」っていう風に言ってて、「あの動画をみていつも思うのは、こういう上司がいる組織はいいよな、リクルートとかいいよなと思っちゃうんですよね。あれを見るたびに自分の上司と比較してすごいストレス感じる。逆にそういう上司をどうすればいいのかっていう動画を撮ってください」なんて言われました。
(ヒガキ)一定層やっぱりそういうお声はいただきますね(笑)
(トミー)まあ、上司は変えられますからね。上司は変えられないと思ったら大間違いで、上司は変えられますよ。
それなりの覚悟をもって対峙すれば。まあ今日のネタとは違うんですけどね。
(ヒガキ)今日も、ちゃんとまた言葉を定義しましょうってところと、なあなあはマネージメントの自己原因から発生していると学べました。ちょっとそこを意識しながら進めていきたいと思います。
本日もありがとうございました!
本日の学び
(ヒガキ)言葉って大事ですね・・・きちんと言葉を定義しないと認識がずれてしまうので、せっかくいただいた亜アドバイスも芯を食ったものにならない。きちんと言葉を定義してより具体的な質問をするように心がけます。本日のヒガキの学びです。
①理想のチーム像・ゴールをきちんと定義して共有する。
人によっていい雰囲気・なあなあの定義が異なるので、ゴールや理想のチーム像をきちんと言語化して、チームで共通認識を持つことが大切。
②規律がないとなあなあになる。
ゴールを目指すうえでやらなければならないことを明確化して規律化することが大切。明確になれば注意もしやすい。
③決めたことが形骸化するのはマネージャーの責任
そもそもできるのか設計がきちんとできていないし、できるっていうのをチームで握れていない。
できるようにする働きかけが足りていないんですね。特に、そもそもできるのかの設計をきちっとしたいと思いました。
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●人材育成・組織課題の解決支援を行う株式会社エクスペリエンサーは元リクルート役員冨塚と、同じくリクルート出身の富樫とで共同創業をした会社です。
人材育成は体験に軸足を置いた研修が特長。組織課題の解決は、各企業のありたい姿の実現に寄り添い、現状とのGAPを埋める課題解決策の実行を支援いたします。何かしらの人と組織にまつわる課題の解決をお考えの企業様は、是非お気軽にお問合せください。
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